ダイナミックレンジを検証!「フジノンレンズ XF10-24mmF4」の撮影術!
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第2回目となる「SHOT ON FUJIFILM #2」は、前回の「SHOT ON FUJIFILM #1」と同じく超広角ズーム「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」を使い、富士フイルムのミラーレス一眼カメラのダイナミックレンジの秘密に迫ろうと思う!そして、ダイナミックレンジを広くとったフィルムライクな写真の撮り方も伝授!
ちなみに今回の実写レビュは、富士フイルムのフラグシップ機「FUJIFILM X-T2」だ!
「FUJIFILM X-T2」と「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」という組み合わせ
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「FUJIFILM X-T2」は写真家タイプ向けの「FUJIFILM X-Pro2」とは若干仕様が異なり、商業撮影などもこなせるプロカメラマン向けのミラーレス一眼カメラ。
「FUJIFILM X-Pro2」ではじっくり1枚1枚丁寧に撮影していくスタイルが魅力だが、「FUJIFILM X-T2」ではパワーグリップをつけた際のバッテリーの持続時間、縦位置での撮影などハイパフォーマンスな性能が強み。これはプロ現場であっても、他社のプロ機に負けない性能となっている。
また最近では「FUJIFILM X-H1」の登場により富士フイルムのXシリーズのフラグシップ機は「FUJIFILM X-H1」だという見方も強いが、この3つのカメラはそれぞれタイプは違えども立派な富士フイルムのフラグシップクラスのカメラだと筆者は考える。写真家向けの「FUJIFILM X-Pro2」、プロカメラマン向けの「FUJIFILM X-T2」、ビデオ・フィルムメーカー向けの「FUJIFILM X-H1」と言ったところだ。
「FUJIFILM X-T2」のチルトディスプレイを利用したウエストレベルでの撮影方法
今回「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」を用いた撮影で「FUJIFILM X-T2」を使用したのには理由がある。
前回の実写レビュを行った際に、背面ディスプレイが固定な「FUJIFILM X-Pro2」では、ローアングルやハイアングル、ウエストレベルなどでの撮影が非常に困難だった。
つまり超広角レンズを用いる際は、可能な限り水平を維持したいので「FUJIFILM X-T2」や「FUJIFILM X-H1」などのチルトディスプレイの方が、圧倒的に使いやすいのだ。
本格的に写真を撮ろうと思うと、意識を集中できるファインダーを覗くスタイルになりがちだが、二眼レフやハッセルのように、敢えてウエストレベルでチルトディスプレイを見ながら撮影するスタイルも結構楽しい。
明暗差の大きい状況で圧倒的に綺麗な「FUJIFILM X-T2」のダイナミックレンジ
一般的にデジタルカメラでの撮影では、「白飛び」に注意をする必要があると言われているのをこ存知だろうか?
なぜなら、シャドウの部分は例え黒く潰れていてもなんらかの情報が残っているので、ソフトウエアでどうにか処理することができるのが、白く飛んで情報が無くなっている部分は、ソフトウエアの処理では復元が困難なのだ。
富士フイルムのXシリーズには、この「白飛び」を回避するためにハイライトの露出を最大で二段階抑えることができる機能が搭載されている。それがダイナミックレンジ設定だ。
仕組みとしては、ISO200(DR100)を基準に感度をISO400、ISO800と上げることで、シャッタースピードをそれぞれ一段階、二段階と速めてわざと露出アンダーで撮影し、画像処理でハイライトをそのままに全体の露出を上げるというものだ。だからISO200ではDR100で、感度を上げると最大でDR400までの設定が可能となるのだ。
ちなみに富士フイルムのカメラの凄いところは、撮って出しJPGでは、最低感度ISO200からISO800くらいまでの間の画質はほとんど変わらないところだ。これはおそらくXシリーズのノイズリダクションがうまく機能しているからである。ただし、従来通りハイライトを飛ばないように撮影しておいて、現像ソフトでアンダーを上げるような現像処理をする場合は、最低感度のISO200よりISO800の方がアンダー部分のノイズは圧倒的に多くなる。とは言え、ISO800のDR400で得られるダイナミックレンジはかなり広く、フィルムライクである。これはISO200でアンダー撮影して、あとから現像処理をするより遥かに楽であるし、撮影現場で適正な露出をモニターで確認しながら直感的な撮影が可能だ。
このようにXシリーズでは撮影状況や高画質にするために低感度を選んであとから現像といった従来の撮影スタイルだけではなく、好みのダイナミックレンジの設定と感度を選んで、フィルム撮影の用に画質を選んで楽しむこともできるのだ。ちなみに初心者でも一般的な撮影シーンではDR400で撮影しておけば、あとはカメラ内現像や適当な画像処理ソフトでかなり綺麗な写真に仕上げることが可能だ。(※屋外でISO800を使用する際、レンズの開放付近での撮影はメカシャッターのみだと露出オーバーになりやすいので、シャッターの設定を「M+E」で1/4000以上は電子シャッターに切り替える設定にしておいた方が良い。)
「FUJIFILM X-T2」と「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」で行く「みんなの森・ぎふメディアコスモス」
今回「FUJIFILM X-T2」と「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」の実写レビュを行ったのは、岐阜県岐阜市にある「みんなの森・ぎふメディアコスモス」。
「みんなの森・ぎふメディアコスモス」は図書館を中心にさまざまな文化施設が合わさった複合施設で、設計は「せんだいメディアテーク」や台湾の「台中国家歌劇院」などで有名な建築家の伊東豊雄氏だ。ちなみに「みんなの森・ぎふメディアコスモス」は、基本的に静かな図書館なのであまり撮影向きの施設ではないが、有機的にデザインされた内部は広角レンズにもってこいの被写体だった。
今回の撮影ではダイナミックレンジをISO800(DR400)に固定。ここではダイナミックレンジの設定によって、ハイライト写り具合の違いが分かるようにISO800(DR100)と比較してみた。
DR400とDR100での描写の違いは一目瞭然ではないだろうか?
フィルム写真をやったことのある人なら何となく感じているかもしれないが、DR400の写真の方がハイライトにうっすらと色味が乗っかる感じがフィルムの写真にとても似ている。ちなみにXシリーズでフィルムライクな写真を撮るための筆者のおすすめのセッティングは、ホワイトバランスを5300Kまたは5600Kで固定にして、ISO800でDR400にするセッティングだ!
最低感度のISO200からISO800までの撮って出しJPEGの画質の劣化がほとんどないXシリーズでは、DR400で撮っておいて、写真のコントラストが弱い場合は、カメラ内現像や「FUJIFILM X RAW STUDIO」で、ダイナミックレンジをDR200やDR100で現像するのがおすすめ。ちなみにXシリーズではDR100で撮っておいて後から現像で、DR200やDR400にすることはできない。
曲線を活かした「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」のパースの効いたダイナミックな撮影法!
「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」は35mm判換算で15mmまで対応した超広角ズームレンズ。直線的な建物などでの撮影では、カメラを水平に保たないとたちまち強烈なパースがかかってしまうが、今回撮影した「みんなの森・ぎふメディアコスモス」ような曲線主体の建築や自然風景などでは、思い切って被写体に近づいて敢えてカメラを上下にふることで、とてもインパクトのある写真を撮影することが可能だ!
光量の少ない場合で便利なManfrottoの一脚!
今回のような薄暗い場所での撮影などで持っておくと便利なのが三脚。三脚があればスローシャッターでも全く問題ないし、水平を保つのも簡単。しかし、三脚のデメリットは荷物が増える点だ。また、美術館や公共施設などの場所によっては、三脚を出し辛いことも多々ある。そんな際に三脚ほどではないが、あると便利なアイテムが「Manfrottoの一脚」だ。
一脚は、望遠レンズなどで撮影する際に、手ブレ防止で使うことが多いアイテムなのだが、狭い場所などで三脚の代わりとして使うことも可能だ。あと一段分なんとかシャッタースピードを稼ぎたいけど難しい!っといった状況で大活躍してくれる。
撮影のついでに寄り道!岐阜へ行ったら絶対に行きたい蕎麦屋「胡蝶庵 仙波」
岐阜市で観光と言えば、今回紹介した「みんなの森・ぎふメディアコスモス」、柳ヶ瀬商店街や金華山・岐阜城などがテッパンだが、絶対に行った方が良いのはと聞かれると迷いなく「胡蝶庵 仙波」だろう。趣きのある平屋で、お蕎麦。しめの蕎麦湯がまた美味。「胡蝶庵 仙波」は中心エリアから少し離れているので、車やタクシーで行くのがおすすめだ!
蕎麦屋「胡蝶庵 仙波」
- 営業時間:11:00~15:00(売り切れ次第終了)
- 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 電話番号:058-232-6776
- 住所:〒502-0933 岐阜県岐阜市日光3丁目26
- アクセス:JR岐阜駅からバスで約20分。市内循環右回り、忠節バス停より徒歩8分。
大野忠節線・モレラ忠節線・西郷線・加納島線・加納南線、忠節西バス停より徒歩2分。
こちらは、岐阜の人気セレクトショップ「distrad」さんのインスタより引用!
「FUJIFILM X-T2」と「フジノンレンズ XF10-24mmF4 R OIS」でフィルムライクな写真を楽しむ!
従来のデジタルカメラでは最低感度が一番高画質になるため、できる限り感度を上げないように撮影したり、自分の撮影したいセッティングに合わせてISOオートを利用していた人も多いと思う。しかし、ISO800くらいまでの画質が変わらない「FUJIFILM X-T2」では、ISOとダイナミックレンジ設定、フィルムシミュレーションで自分だけの「色=フィルム」を選んで、写真を撮るという撮影方法の方が合っていると言えるだろう。
この撮影方法は、フィルム写真をやったことがある人には懐かしく、やったことがない人にはある意味新鮮に感じるかもしれない。
今回紹介した「FUJIFILM X-T2」のようにチルトディスプレイを搭載している「FUJIFILM X-H1」や、「FUJIFILM X-T20」では、「FUJIFILM X-Pro2」とはまた違った楽しみ方のできるのも特徴的。
「FUJIFILM X-T2」のチルトディスプレイはとても使いやすいので、是非この機会に試していただきたい!
「SHOT ON FUJIFILM」の一覧
- SHOT ON FUJIFILM #1「FUJIFILM X-Pro2」と「XF10-24mmF4」美術館で使ってみた!
- SHOT ON FUJIFILM #2 ダイナミックレンジを検証!「フジノンレンズ XF10-24mmF4」の撮影術!
- SHOT ON FUJIFILM #3 花の写真で徹底分析!「FUJIFILM X-Pro2」のフィルムシミュレーション!
- SHOT ON FUJIFILM #4 個性派必見!富士フイルムXシリーズで楽しむオールドレンズ!
- SHOT ON FUJIFILM #5 カメラ初心者に人気!富士フイルムのエントリーモデル「FUJIFILM X-T100」
- SHOT ON FUJIFILM #6 中判デジタルの魅力!「FUJIFILM GFX50R」ファーストインプレッション!
- SHOT ON FUJIFILM #7 フルサイズミラーレスを凌駕!?富士フイルムのミラーレス「FUJIFILM X-T3」
- SHOT ON FUJIFILM #8 フジノンレンズ「XF35mmF1.4」と「XF35mmF2」を徹底比較!
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