個性派必見!富士フイルムXシリーズで楽しむオールドレンズ!
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「FUJIFILM X-T3」、「FUJIFILM GFX50R」と新製品の発表が目まぐるしい富士フイルム。今回の「SHOT ON FUJIFILM」では、そんな富士フイルムXシリーズの交換レンズについてご紹介!
これまでの「SHOT ON FUJIFILM」では、富士フイルムの純正レンズについていくつか触れてきたのだが、今回はあえて非純正の個性的なレンズを中心に、純正レンズと比較しながら実写レビュー!
富士フイルムXシリーズで使えるオールドレンズ(クラシックレンズ)とは?
富士フイルムXシリーズは、ミラーレスカメラの中でもフランジバックが17.7mmと短いカメラ。
マウントアダブターさえあれば、フィルムカメラ時代の一般的な一眼レフレンズや、レンジファインダーカメラのオールドレンズは装着できる。実際に、現行品として「旧コンタクス」や「ニコンF」、「オリンパスOM」など多種のマウントアダプターが存在する。
富士フイルムも純正品として「Mマウントアダプター」を発売している。富士フイルムの「Mマウントアダプター」は、歪曲収差補正、色シェーディング補正、周辺光量補正など3つの画質補正が利用でき、純正品ならではの機能が堪能できる。しかしその反面、富士フイルムの「Mマウントアダプター」は電子接点を設けたことで、一部の後玉が飛び出ている広角レンズが使用不可となっている。
富士フイルムXシリーズにおすすめマウントアダプター!
富士フイルムXシリーズ用として多数存在するマウントアダプターの中でも特におすすめなのが、レンジファインダーカメラ用のオールドレンズが使用できる「LMマウントアダプター」と「Gマウントアダプター」。
というのも、もともと短いフランジバックで設計されているレンジファインダーカメラ用レンズには「Leicaレンズ」や「Zeissレンズ」などコンパクトで優れたオールドレンズ(クラシックレンズ)が豊富に存在する。特にローパスレスで解像力の高い富士フイルムXシリーズには、解像力のあるレンズがおすすめだ!逆に、一眼レフタイプのレンズは、歪むうえに大きいため、すでに何本かレンズを持っている人ならともかく、これからオールドレンズ(クラシックレンズ)を買おうと思っているひとにはあまりおすすめしない。
また、ヘリコイド付きのマウントアダプターを使用すれば、レンズの撮影可能な最短距離も近い距離での撮影も可能となる。
現在ヘリコイド付きのマウントアダプターを販売しているのは2社。最大で6mmのヘリコイドを搭載した「SHOTEN LM-FX M」と、4mmのヘリコイドと無限ロック機構付きを搭載した「Voigtlander VM-X Close Focus Adaptor」。個人的にはロック機構を搭載した「Voigtlander VM-X Close Focus Adaptor」のほうがおすすめだが、より接写したい人は「SHOTEN LM-FX M」でも良いだろう。
富士フイルムのフォーカスピーキングでくせ玉もクセなしに!
オールドレンズ(クラシックレンズ)の中には、写りが個性的ゆえにくせ玉と呼ばれる個性的なレンズがいくつか存在する。そのくせ玉の中で厄介なのが、ピント面が若干動くタイプのレンズだ。
後半で紹介する「ZEISS C Sonnar T* 1.5/50 ZM」もそのひとつなのだが、開放付近でピントとコントラストのピークがずれるという癖がある。これによる開放での独特な描写が魅力のひとつなのだが、レンジファインダーの距離計でいい塩梅に合わせるにはとても難しい。しかし、富士フイルムXシリーズのフォーカスピーキングを使用すれば、ピントを外す心配はいらない。前ボケと後ボケの変化を楽しみながらより狙った位置にピントを持っていった絵作りが可能となる。
現行品多数あり!MマウントレンズならコシナのVoightlanderとZeissがおすすめ!
富士フイルムのXシリーズで使用できるMマウントレンズはたくさんある。有名なところでは、Mレンズの代名詞でもあるLeicaレンズ。世界のトップブランドなだけあってとても高価だが、プロからハイアマまで熱心なファンが多いレンズブランドのひとつだ。
それに比べて一般ユーザーでも手の届きやすいところでは、コシナが出している「Voigtlanderレンズ」や「Zeissレンズ」が人気。特に「Voigtlanderレンズ」は5万から10万円くらいの価格のオールドレンズ(クラシックレンズ)が多く、個性豊かなのでとてもオススメだ。
今回の「SHOT ON FUJIFILM」では、純正と比べても値段の差があまりないこのコシナのレンズブランド「Voigtlanderレンズ」と「Zeissレンズ」の標準レンズを中心に紹介していこうと思う。ちなみに、今回紹介するレンズはすべてフルマニュアルレンズ。また、現行品が存在しない「Gマウント」のオールドレンズに関しては、今回は紹介を割愛させて頂いた。
富士フイルムXシリーズで標準レンズとして使えるおすすめ35mm単焦点レンズ!
富士フイルムのXFレンズでも人気の高い「フジノンレンズ XF35mm F1.4 R」と「フジノンレンズ XF35mm F2 R WR」。
このふたつのレンズは、価格の割には高性能ということでユーザーの評価もとても高い。また、「FUJIFILM X-Pro2」で使用する際は、OVFでパララックス補正が連動する。基本近接撮影ができないレンジファインター用の非純正Mマウントレンズとは違い、近距離の撮影も可能なので使い勝手も最高だ。そのうえ両者ともに開放での近接撮影では、なかなか個性的な描写してくれる面白いレンズである。(ちなみにこちらは「フジノンレンズ XF35mmF1.4 R」と「フジノンレンズ XF35mmF2 R WR」の描写を比較した記事→SHOT ON X-FUJI #8 富士フイルムの標準レンズを徹底比較!「フジノンレンズ XF35mmF1.4 R」VS「フジノンレンズ XF35mmF2 R WR」!)
絶妙な甘さ!大口径で大きなボケが印象的な「Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4」
まず最初に紹介するのがコシナの「Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4」。
このレンズはオールドレンズ(クラシックレンズ)のまさに代名詞。古典的な対称性の美学に基づいて設計された「Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4」は、開放からとても印象的な写りをする。各絞り値によって、写真の質がこれほどまでに変化するレンズは、現代レンズではなかなか存在しない。
少し甘さのでる開放付近の描写は、シャープになりがちな現代的なレンズと比べてとても魅力的に写る。光の入れ方しだいでは美しいレンズフレアや印象的なハロが出る。ちなみに、開放付近ではとても甘めな「Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4」だが、F4やF5.6くらいまで絞り込ばとてもシャープな描写となる。(ちなみに「Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4」は2019年3月で製造終了となったが、「Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4Ⅱ」が2019年6月発売予定だ。)
ハイコントラスト高画質!日常使いに最適な「ZEISS C Biogon T* 2,8/35 ZM」
続いて紹介するのは、ZEISSレンズのなかでもコスパの高い「ZEISS C Biogon T* 2,8/35 ZM」。
「ZEISS C Biogon T* 2,8/35 ZM」は開放値がF2.8と暗めなのだが、Zeissレンズのなかではとてもコンパクトで安い。おまけにディストーション0という脅威の完成度だ。ちなみにZeissのBiogonという名を冠したレンズは、ダブルガウスを基礎にしており、広角でも歪みの少ないレンズとなっている。
「ZEISS C Biogon T* 2,8/35 ZM」の最大の魅力は開放の描写。少し背景が渦を巻いて被写体を浮かび上がらせてくれるので、スナップポートレートやドキュメンタリー写真に最適。「FUJIFILM X-Pro2」との見た目の相性も抜群だ。
また、Zeissレンズの素晴らしいところは、モノクロでの描写が秀逸になる点。もともとモノクロレンズとして設計されたのでは?と思ってしまうほどに美しくキリッとした描写をする。フィルムシミュレーションAcrosとの相性も良いので、モノクロ写真が好きな人には是非使って欲しい一本だ。
スナップからポートレートまで対応!富士フイルムXシリーズ中望遠レンズとして使える50mm単焦点レンズ。
35mm標準レンズの次に紹介するのは、50mmの中望遠単焦点レンズ。APS-Cサイズの富士フイルムXシリーズでは、50mmレンズというと35mm判換算で75mmに相当するので中望遠領域になるが、フィルム用のMマウントレンズでは50mmの標準レンズとなる。そのため、個性的なレンズもたくさんあるのがこの焦点距離だ。
富士フイルムの純正レンズでは「フジノンレンズ XF50mm F2 R WR」が一本と、35mm判換算で85mm相当となる「フジノンレンズ XF56mm F1.2 R」と「フジノンレンズ XF56mm F1.2 R APD」が二本用意されてる。今回は50mmレンズにフォーカスを当てたいので「フジノンレンズ XF56mm F1.2 R」と「フジノンレンズ XF56mm F1.2 R APD」の紹介は割愛させていただく。
「フジノンレンズ XF50mm F2 R WR」は、コンパクトと高速AFが売りのWRシリーズだが、前述したの「フジノンレンズ XF35mm F1.4 R」や「フジノンレンズ XF35mm F2 R WR」に比べるとAFの速度は遅くなる。しかし写りに関しては、小口径のクラシックレンズに負けず劣らずの個性的な描写が印象的だ。
開放で後ボケがいい感じ渦を巻いている。それでいて大口径レンズほど大きくボケ過ぎないので、品のある描写が魅力だ。
現代のクセ玉!個性的なボケとシャープネスを兼ね備えた「ZEISS C Sonnar T* 1.5/50 ZM」
次にご紹介するのは、冒頭でも少し紹介した「ZEISS C Sonnar T* 1.5/50 ZM」。
こちらは、開放付近でピントとコントラストのピークが若干ずれるという個性的なオールドレンズ(クラシックレンズ)。 ZMレンズの中でCが付くのは、クラシックな設計とコンパクトを兼ね備えたレンズのみ。伝統的なゾナーの設計を継承しした「ZEISS C Sonnar T* 1.5/50 ZM」は、大口径ガウスタイプほど大きくボケないが、個性的なボケ方をする。
またZeissレンズとこれまでに紹介したVoightlanderのレンズと大きく違う点をあげるとしたら、1番はピント面の解像力と精度。この点に関しては、Zeissレンズはライカレンズを凌ぐとさえも言われている。(別の記事でGFXの35mmクロップモードで「ZEISS C Sonnar T* 1.5/50 ZM」を実写レビューしたので気になる方はこちらもチェック!「SHOT ON FUJIFILM #11 富士フイルムでフルサイズ!?GFXシリーズでオールドレンズを試してみた~50mm編~」)
これぞクラシック!風情のあるボケが美しい「Voigtlander HELIAR Vintage Line 50mm F3.5」
そして最後に紹介するのがフォクトレンダーの顔とも呼べるレンズ「Voigtlander HELIAR Vintage Line 50mm F3.5」。
トリプレットの進化版として設計されたHeliarタイプのレンズは、ガウスタイプほど大きなボケはないが、背景の残り方(アウトオブフォーカスに何が写っているかが分かるところ)やコンパクトさにおいてはストリートスナップに最適だ。特に開放での独特のボケは、少し個性が強すぎるという人もいるが、かなり印象的なボケ方をする。個性という意味では今回紹介したレンズの中でひとつ抜きでてる印象だ。
今回使用した「Voigtlander HELIAR Classic 50mm F2」はアニバーサリーモデルで現行品ではないのだが、現行品としては「Voigtlander HELIAR Vintage Line 50mm F3.5」がある。「Voigtlander HELIAR Vintage Line 50mm F3.5」は開放値が「Voigtlander HELIAR Classic 50mm F2」よりは暗いのだが、レンズ設計はほぼ同じで、「Voigtlander HELIAR Classic 50mm F2」と同じような写りをする一本。富士フイルムXシリーズとのデザインの相性も抜群だ。
表現力が一気に広がる!富士フイルムXシリーズとオールドレンズ(クラシックレンズ)の組み合わせ!
現行品の現代レンズの魅力、それはクセがなく開放からガンガン使っていける点だろう。当然だが、本体のすべての機能を利用できるというメリットもいくつかある。
しかし一方で、クセのないレンズは、同時に個性も薄ということが言える。フィルムライクな写りが好きで、富士フイルムのデジカメを使っているユーザーからすれば、より味わい深い写真が撮れるレンズを求めるのは当然だ。
そんな人たちに、おすすめなのが今回紹介したクラシック設計のオールドレンズたち。
年々シャープな写りが主流になっていっているデジカメ市場において、柔らかく写せるレンズや、自然に滲む描写を持っているレンズは、とても稀有な存在。柔らかさの「Voigtlanderレンズ」、きめ細かい描写とクラシカルなボケ味を兼ね備えた「ZEISSレンズ」。ここぞと言う時に一本持っておいても損はない。
どちらもとても面白いレンズなので、是非この機会に試して頂きたい。
「SHOT ON FUJIFILM」の一覧
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