美しきボケ!「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」実写レビュー
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マクロレンズというと昆虫などの小さな被写体を大きく撮るという接写専門のレンズというイメージが強い。でも実際は接写専門のレンズというよりも被写体に寄れるレンズ。昆虫やアクセサリーなどの小さな被写体はもちろん大きなボケ感を利用した風景写真から料理の撮影、ポートレートまで幅広く使えるのが特徴だ。
そこで今回は富士フイルムのハーフマクロ「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」を実写レビュー。
そもそもマクロレンズとは?
カメラで撮影しているときにもう少し被写体に寄りたいけど、これ以上寄るとピントが合わなくなってしまうという経験はないだろうか?
ご存知の方も多いと思うが、レンズには最短撮影距離というのが存在する。一般的には焦点距離が短いほど被写体に寄ることができて、長くなればなるほど寄れなくなっていく。実際、広角系のレンズではマクロレンズ並みに被写体に寄れるレンズも少なくはない。しかし広角レンズでは寄ったところで実寸より小さく写ってしまう。そこで必要になってくるのが望遠域寄りのマクロレンズだ。
マクロレンズは仕様によって等倍マクロ、ハーフマクロと呼ばれることがある。ここでいう等倍、ハーフ(1/2倍)というのは、被写体とセンサーに映る像の大きさが等倍、ハーフ(1/2倍)サイズという意味だ。マクロレンズには、、、という言い方をしてしまったが、実際には被写体をだいたい1/2倍以上の倍率で撮影できるレンズがマクロレンズと呼ばれる。
印象的なボケと高解像度が魅力な「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」
まず今回取り上げた「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」は被写体を1/2倍の倍率で撮影できるハーフマクロ。
その1番の特徴はAPS-Cサイズであることを忘れてしまうかのようなトロけるボケとピント面の解像度。Xシリーズのフィルムシミュレーションとも相性が良く、ピント面はキリっと高解像するのにも関わらず写真全体を見るとレトロな印象のある独特な写りをするのが印象的だ。そして35mm版換算で90mmという使いやすい中望遠の領域で接写だけでなくさまざまな撮影シーンで使いやすいレンズとなっている。
絞り込んでも後ボケが魅力的!
一般的にマクロレンズは接写に対応したレンズなので、当然寄れば寄っただけボケる。「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」も開放で寄ればこれでもかっと言わんばかりに前後が綺麗にトロける。そんなマクロレンズで重要になってくるのは、如何にボカしすぎないか。「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」が優れているのは、何段か絞り込んでもトロけ具合が良い感じに残ってくれるところ。料理の撮影やテーブルフォトのように背景も活かしたい撮影ではとても良い味付けができる。
AFは遅めだが問題はない!?
しかしながら「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」の評価は賛否両論。一番の問題はAFの速度だ。「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」はXシリーズの1番初期のころのレンズということもあってお世辞でもAFが優れているとは言い難い。そんな理由で酷評を受けるということも珍しくない。
マクロ領域の撮影は撮影者の腕にかかっている!
もちろんAFが正確で早いに越したことはないのだが、ピントが一般的レンズよりも浅くなりがちなマクロレンズでは最終的なピント送りは撮影者の腕。
実際、Xシリーズの撮影ではAF+MFの設定で最後はマニュアルでピントを追い込むか、MF主体でAF-Lなどと組み合わせて撮影することが多いと思うのだが、ちなみに筆者はマクロレンズを使う際、基本的にMFなのでAFの遅さは対して気にならなかった。というのも特にスナップでのマクロ撮影ではピント面を微調整する際に身体を前後させたりするテクニックも必要なので、AFをあてにするよりもMFで被写体との距離感を掴みながら撮影することの方が重要だからだ。
とてもコンパクトな「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」
「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」の優れたところをもう一つ挙げるとしたらそれは、マクロレンズなのに「フジノンレンズ XF35mm F1.4 R」並の大きさに収まっている点。もちろんレンズフードの分長く感じることもあるのだが、長時間スナップしていても全く苦ではない。Zeissが出しているXマウント用の等倍マクロレンズ「Carl Zeiss Touit 50mm F2.8」と大きさを比べてみてもその差は一目瞭然である。
同梱されているメタルフードがカッコいい!
これは初期のXFレンズ「フジノンレンズ XF18mm F2 R」や「フジノンレンズ XF35mm F1.4 R」なども同じなのだが、プラスチックのレンズフードと比べると金属の質感が感じられるメタルフードの方がレトロな雰囲気のXシリーズとも相性が良いし、素直に格好良い。その上「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」はメタルフード付きなのにも関わらず価格もお手頃。
初めてのマクロレンズには「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」がおすすめ!
Xシリーズにはもう一本等倍マクロの「フジノンレンズ XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro」もある。こちらは光学手ぶれ補正を内蔵した本格的に等倍マクロ撮影を楽しみたい向け。その点「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」は焦点距離も35mm換算で90mmくらいなのでマクロレンズとしても標準寄りの中望遠レンズとしても使いやすい。
Xシリーズの初期レンズが「フジノンレンズ XF18mm F2 R」と「フジノンレンズ XF35mm F1.4 R」そして「フジノンレンズ XF60mm F2.4 R Macro」の3本だったことからも分かるようにこの3つのラインナップであれば広角スナップからボケの綺麗な標準、中望遠のポートレートとマクロ撮影のように写真の旨みを全て味わえる。もちろん近年発売されたボディ内手ぶれ補正を搭載の「FUJIFILM X-T4」や「FUJIFILM X-S10」とも相性が良いので是非一度試してみてほしい。
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