オールドレンズ「Voightlander ULTRON 28mm F2」実写レビュー
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最近ではXシリーズ専用のレンズが登場してることで話題の尽きないコシナのVoightlander。Voightlanderのレンズと言えばNOKTONが最近ではよく聞く名だが、フィルムカメラ時代ではNOKTONと並行してULTONというレンズもとても人気があった。
ということで、今回はフィルムカメラ用のレンズとしても人気の多かった「Voightlander ULTRON 28mm F2」を紹介したいと思う。
「Voightlander ULTRON 28mm F2」ってどんなレンズ?
VoightlanderのUlLTRONは、NOKTONが開放値F1.5以上明るい大口径ダブルガウスタイプに冠せられる名前なのに対し、開放値がF2前後の大口径広角レンズにつけられることが多いレンズ。現代的な特殊レンズを積極的に採用して、大口径でありながらコンパクトな広角レンズを実現しているものが多い。
今回紹介する「Voightlander ULTRON 28mm F2」は2021年4月に生産終了したレンズ。同系統のレンズとしては2021年6月に改良版の「Voightlander ULTRON Vintage Line 28mm F2 Aspherical」が販売され、今も現行品として売られている。
「Voightlander ULTRON Vintage Line 28mm F2 Aspherical」は非球面レンズと異常部分分散ガラスが追加され、デジカメによる色被りが軽減されているという。また外装デザインもVintage Lineとして3種類のクラシカルなデザインが採用されている。
クラシックな写りと美しいボケ
「Voightlander ULTRON 28mm F2」の第一印象はボケがスムーズでとても美しいところ。発売された当時はフィルムカメラで使用していのだが、開放値がF2なだけあって28mmでも被写体を引き立てれて、スナップショットでとても重宝した。特にモノクロとの相性が良く、F2-2.8では程よい甘さと美しいボケ、F4からはコントラストも上がって立体感のある描写が可能となる。
富士フイルムのデジカメとの相性は?
これまでさまざま記事で述べてきた通り、デジカメ用に周辺光量落ちや色被りの対策をしていないオールドの広角レンズに関しては、フィルムカメラでは発生しなかったような周辺光量落ちや色被りが強調される。
「Voightlander ULTRON 28mm F2」も同様で、周辺光量落ちや色被りは当然のように発生する。特にGFXシリーズで35mmフォーマットモードで使用するとその効果は大きい。一方でAPS-CサイズのXシリーズでは、35mmフィルム版換算で42mm相当にクロップされることもあり、こちらでは周辺光量落ちや色被りはほぼ気にならない程度で使える。
また他の記事でも書いた通り、富士フイルムのデジカメであればフィルムシミュレーションのクラシックネガやPRO Neg.Stdあたりを使用すれば、周辺光量落ちや色被りもフィルム調の雰囲気の一部として楽しめる。言うまでもないがACROSのと相性は抜群だ。
GFXではACROSとの相性が抜群!
前述した通りGFXでの使用では周辺光量落ちや色被りが顕著である。もし35mmフルサイズで自然な描写を求めるなら筆者は使用したことがないが、現行品である「Voightlander ULTRON Vintage Line 28mm F2 Aspherical」の方がデジカメ対策がしてるそうなので、こちらがおすすめ。
ただ「Voightlander ULTRON 28mm F2」あってもACROSでの描写に関しては、はっとする瞬間も多く、程よくコントラストを高めるととてもリッチなモノクロームを楽しむことができる。
特にACROSは感度で粒状感を演出できるのでダイナミックレンジの設定をうまく使えば、仕上がりに関しては実際にモノクロフィルムで撮っているときとほぼ差がないようにも感じられる。
Xシリーズでは使いやすい標準域のレンズ
Xシリーズで「Voightlander ULTRON 28mm F2」を使用すると35mmフィルム版換算で42mm相当にクロップされるので標準レンズに慣れている人にはとても使いやすい画角となる。特に明瞭度の設定ができる「FUJIFILM X-Pro3」などでは、うまく画像設計をすることでフィルム感を演出することが可能だ。
現代レンズにはない甘さと美しさ
現代レンズやカメラがより高い解像感を追求していく中、甘い写真に関してはフィルターやレタッチで味付けしていくのが現在デジカメでは主流となっているが、レンズそのもので演出される描写はなかなかレタッチでは再現することが難しい。また特殊レンズが多用されている現代レンズは、性能としては遥かにオールドレンズを上回るが描写にぎこちなさがあったりと、かならずしもそれが良いとは限らない。
「Voightlander ULTRON 28mm F2」は現行品ではないので、現在は状態のよい中古品かリニューアルされた「Voightlander ULTRON Vintage Line 28mm F2 Aspherical」という選択肢になってしまうが、ULTRONというスタイルが十分に楽しめるレンズなので是非機会があれば試して欲しい。
今回は富士フイルムのデジカメで使うことを想定した記事になったので、フィルムカメラでの使用に関してはレビューしてないが、フィルムカメラでは「Voightlander ULTRON 28mm F2」でもデジカメで見られるような色被りなどはないので、デジタルでもフィルムでもという二刀流の方には特におすすめのレンズだ。
今回使用したカメラ↓
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