「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」実写レビュー
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近年ズームレンズなどのライナップ増えて手が出しやすくなってきたGFXシリーズ。2021年には破格のセットズームが登場したが、GFXのラージフォーマットを堪能するならやはり単焦点レンズが何本かほしい。
今回のSHOT ON FUJIFILMではそんなGFレンズの中から初めての一本におすすめ「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」を実写レビュー。
圧倒的な画質
一般的に広角レンズの入口となる換算35mmのレンズは焦点距離の短くなるマイクロフォーサーズやAPS-Cでは近距離では立体的に写るが、レンズによっては全体的な解像感が落ち始めたり、数メートル先の被写体を背景から浮かび上がらせようとするとどうしても立体感に欠けるということが多々ある。
そんな中「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」は焦点距離45mmの立体感とラージフォーマットというセンサーの大きさにより、圧倒的解像感の写真を生み出すことが可能。これにより近接、近景から中景、遠景、パンフォーカスまでどの射程でも満足のい画質を保持し、広角の画角を生かしながら標準域や中望遠域のレンズのような描写がとても魅力的。特に遠景では、ラージフォーマットの解像力、描写力のおかげで細部まで精細に写るのであまり広角を感じない。画面の手前から奥までディテールがしっかりしている印象だ。
写りの傾向としては、体感では歪みはほぼなく、絞り開放から気になる収差や画質の低下も感じることなくガンガン使えて、F8、F11くらいが画質のピーク。富士フイルムらしく画質を維持するためにあえて開放値F2.8の暗めに設定しているレンズという感じ。ちなみにF16くらいから回折の影響か画質が低下し始めるが、ラージフォーマットなので現像ソフトの回折補正をうまく使えば回折の影響はほとんど感じない。(余談だがたまに回折補正を常にオンでみたいな解説を拝見するが、ローパスレスのGFXやXシリーズでは基本の画質がかなりシャープなので、必要ない絞り値で回折補正を使うとピント面がギチギチになるので注意が必要だ。)
このレンズを使っていると標準や望遠域より焦点距離の長さを活かせる広角レンズこそGFX(ラージフォーマット)の最大の魅力だと感じる。
弱点は最短撮影距離
「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」はF2.8と決して明るくないレンズだが、そこは単純に感度を上げれば問題ない。 GFXはラージフォーマットなので高感度でも現像を上手く行えば画質はそこまで劣化しないので、あまりレンズの暗さは気にならない。しかし唯一弱点を挙げるとしたら、センサーが大きい故に最短撮影距離も長くなっていることである。
「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」の最短撮影距離は45cm。XFレンズの「フジノンレンズ XF23mmF1.4 R LM WR」が19cmで一般的なフルサイズの35mmレンズが20cm前後なのでやはり寄れない印象だ。 またAFに関してはラージフォーマットなので想像通りな感じ。スピード感を求めるならフルサイズやAPS-Cを使えば良いし、そもそもスピード感をラージフォーマットに求める自体間違っていると感じる。個人的にはそんなに問題を感じたことはない。
GFレンズは単焦点がおすすめな理由
一般的にラージフォーマットサイズのカメラはフルサイズやAPS-Cサイズのカメラよりボケが美しく、立体感が別格と言われる。
ボケの大きさに関しては、APS-Cサイズと比較すると絞り値の約2段分、フルサイズとの比較では約1段分くらいが同等となる。「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」の場合は、有効口径が約16mmになるので、APS-Cサイズ用のレンズだとF1.4くらい、フルサイズ用のレンズだとF2.2くらいとボケの大きさが同等と考えられる。開放からしっかり写るかどうかを考えなければフルサイズだと35mmF1.4くらいのレンズはたくさんあるので、ボケの大きさだけで言うと現状フルサイズの方がボケるレンズが多いのも事実だ。しかしながら同じ画角のレンズでは、ラージフォーマットの方が焦点距離が圧倒的に長くなるので、ボケはスムーズで、捉えた対象の立体感はかなり印象が違う。
またこれはどのレンズにも言えることだがセンサーのサイズを最大限に活かすなら開放値が明るい単焦点レンズが圧倒的におすすめで、ズームレンズに関しては、だいたい1サイズ下のセンサーサイズ+単焦点レンズの組み合わせとボケの大きさが同等なるか、もしくはレンズによっては劣る可能性がある。価格面やボディサイズ、レンズサイズを考慮してGFXではズームレンズしか使わないというのであれば、フルサイズで単焦点レンズを使った方がコスパが良いのも事実だ。
初めの一本に最もおすすめな「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」
以上のようにラージフォーマットのメリットを活かすためにも単焦点レンズが必須なのはなんとなく理解して頂けたと思う。GFレンズでラージフォーマットの恩恵を受けるなら開放値の明るい「フジノンレンズ GF80mmF1.7 R WR」や「フジノンレンズ GF110mmF2 R LM WR」という選択しもあると思うが、先ほども触れた通り、APS-Cやフルサイズと比較すると焦点距離の長い領域(標準域から望遠域)では他のセンサーサイズでも画角は狭まるが同様の立体感を得ることができるので、やはりこれぞラージフォーマット!というのを味わいたいのであれば広角域のレンズがおすすめ。
特に「フジノンレンズ GF45mmF2.8 R WR」では開放値の明るさも維持されており、フルサイズくらいでクロップしても標準レンズとしても利用できるのでかなり万能。画角がズームレンズでもよくカバーされている領域なので、あまり目立たない単焦点レンズではあるが初めてのGF単焦点レンズとしてはかなりおすすめの一本である。
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